2025年の秋にかけて、食品や日用品を中心にさまざまな製品の「値上げ」が予定されています。すでに価格が上昇しているものも多く、「これ以上上がる前に備えておきたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。若い人はもちろん、特に中高年の方々にとって、日々の暮らしを守るための「備蓄」はこれからますます重要になります。
この記事では、2025年秋の本格的な値上げラッシュに備え、今のうちに準備しておきたい生活必需品を7つ厳選してご紹介します。どれも無理なく取り入れやすいものばかりですので、家計や暮らしを守る第一歩として、ぜひチェックしてみてください。
なぜ2025年秋に値上げが集中するのか?
2025年の秋にかけて、多くの企業が製品の価格改定を予定している背景には、いくつかの深刻な要因が重なっています。
まず大きな理由のひとつが、原材料価格の高騰です。世界的な気候変動や地政学的リスクにより、小麦や油脂、包装資材などの供給が不安定になり、コストが急上昇しています。さらに、エネルギー価格や物流費の上昇も製品価格に直結しており、輸送コストの増大が商品の販売価格を押し上げています。
加えて、日本では円安傾向が続いており、輸入品のコスト増が家計に直接影響しています。とくに日用品や食品など、日々の生活に欠かせないものほど影響が大きく、見過ごせません。
そして、実は企業の価格改定は9〜10月に集中する傾向があるのです。これは決算期や年度の切り替えに合わせて調整されることが多いためで、秋は“値上げの本番”とも言える時期になります。
このような流れを受けて、今のうちから備えておくことは、家計を守るための「安心対策」といえるでしょう。
値上げの影響を受けやすい分野とは
秋の価格改定が集中する2025年、特に影響を受けやすいのが生活に直結する分野です。これらは日々の支出に関わるため、早めに備蓄や購入の検討をすることで、家計へのダメージを軽減できます。
分野 | 値上げ品目と要因 |
---|---|
食品 | 小麦・油・乳製品などの原材料費の上昇により、パン、パスタ、冷凍食品、菓子類など幅広い食品が値上げ対象に。天候不順による不作や円安も拍車をかける。 |
日用品 | トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤、シャンプーなど。原材料費や物流コストの増加で価格がじわじわ上昇。かさばる商品は特に物流費の影響を受けやすい。 |
エネルギー関連 | 電気・ガス料金や灯油代などのエネルギー費も、世界的な原油価格の動きや為替相場に左右される。暖房器具や関連用品も値上げの波に巻き込まれる可能性も。 |
医薬品・衛生用品 | 高齢者や持病のある人にとって欠かせない医薬品や、マスク・消毒用品なども、今後の物価変動の影響を受けやすい分野。製造コストや原薬の輸入価格上昇が背景に。 |
帝国データバンクの5月30日のレポートによると、食品の値上げは2025年10月までで累計1万6224品目に達するとのことです。これは、2024年1年間の実績である1万2520品目を超えています。
さらに、年間では2年ぶりに2万品目を超える見通しともされており、飲食料品の値上げラッシュが本格化した2022年の2万5768品目に並ぶかもしれないともいわれています。

6月までにもたくさん値上げがあったのに、さらに……
2025年に備蓄しておきたいもの7選
2025年秋にかけて予想される値上げラッシュに備えて、特に押さえておきたい生活必需品を7つ厳選しました。これらはすでに価格が上昇傾向にあり、買い置きすることで節約効果や安心感につながります。
2025年秋にかけて予想される値上げラッシュに備えて、特に押さえておきたい生活必需品を7つ厳選しました。これらはすでに価格が上昇傾向にあり、買い置きすることで節約効果や安心感につながります。
- お米・乾麺(パスタ・うどん)
- 主食類は長期保存が可能で、価格の変動も受けやすい商品です。特にパスタは小麦価格に直結するため、値上げリスクが高いアイテムのひとつです。
- 缶詰・レトルト食品
- 物価が上がると「調理不要」で「長期保存できる」食品の需要も高まります。魚の缶詰、カレー、煮物などは備えておくと安心です。
- トイレットペーパー・ティッシュ
- 物流コストの影響を大きく受ける紙製品は、過去にもたびたび品薄・値上げの対象になってきました。ストックの確認と補充は早めがおすすめです。
- 調味料(醤油・味噌・油など)
- 家庭の味を支える調味料も、原材料の高騰でじわじわ値上がり中。特に食用油は価格変動が激しく、まとめ買いの効果が大きい商品です。
- 洗剤・シャンプーなどの日用品
- 価格改定が頻繁に行われている分野です。使い慣れたメーカーの製品をお得な時期に購入しておくと、安心して使い続けられます。
- 電池・カセットボンベ
- 電気代高騰に伴い、災害時だけでなく日常的にも活躍するアイテム。需要が集中すると品薄になるため、余裕を持った備蓄が有効です。
- 常備薬・マスク・衛生用品
- 医薬品やマスク、絆創膏、除菌シートなども、製造コストの上昇により価格がじわじわと変動しています。日々の安心のためにも在庫確認を。
2025年秋までの主な値上げ予定商品名一覧【食品】
今後値上げが予定されている具体的な食品の商品名を、月ごとにまとめました。
発表されているうちのほんの一部ですが、馴染みのあるメーカーや品物を中心にコンパクトにまとめましたので、今後の備蓄の参考にしてください。



差額は数十円が多いものの、それらを今後も複数個買う(買い続ける)と考えると、馬鹿にできない金額です
7月に値上げされる商品
メーカー | 商品名 | 現価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|---|
ミツカン | 味ぽん360ml | 307 | 342 | 35 |
森永乳業 | 森永北海道バター | 567 | 627 | 60 |
クラフトフレッシュモッツァレラ | 486 | 503 | 17 | |
雪印メグミルク | 北海道バター200g | 521 | 575 | 54 |
日清製粉ウェルナ | マ・マースパゲティ1.6ミリ300g | 325 | 379 | 54 |
味の素AGF | 家庭用コーヒー製品 | 25%~55%値上げ |



私は今、バターとコーヒーを多めに買っています。バターは冷凍保存できるので買いだめもOK!
- ミツカン:
- 森永乳業:バター1品、チーズ4品
- 雪印メグミルク:「おいしい牛乳」など128品目
- 日清製粉ウェルナ:家庭用パスタとソース38品目
- 味の素AGF:スティック、インスタント、レギュラーなど家庭用コーヒー176品目



日清製粉ウェルナの家庭用小麦粉2品目は約0.6%の値下げでうれしい🎵
8月に値上げされる商品
メーカー | 商品名 | 現価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|---|
ダイショー | 博多もつ鍋スープ しょうゆ味 | 320 | 355 | 35 |
理研ビタミン | あめ色玉ねぎ190ml | 299 | 327 | 28 |
森永乳業 | ビヒダスプレーンヨーグルト 加糖 | 151 | 161 | 10 |
ネスレ日本 | ネスカフェ エクセラ つめかえ用袋 60g | 605 | 727 | 122 |
ニップン | オーマイスパゲッティ1.5ミリ300g | 335 | 369 | 34 |
- ダイショー:家庭用約400品目と業務用約1600品目が対象
- 理研ビタミン:「リケンのノンオイル セレクティ」シリーズ全種値上げ
- 森永乳業:牛乳類13品、クリーム類2品、ヨーグルト34品、デザート4品
- ネスレ日本:即席コーヒー「ネスカフェ」など飲料製品54品
- ニップン:家庭用パスタやソース40品目、家庭用米粉・そば粉2品目など45品目



ニップンの家庭用小麦粉4品目も約1%の値下げでうれしい🎵
9月に値上げされる商品
メーカー | 商品名 | 現価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|---|
ダイショー | 焼肉一番 | 237 | 270 | 33 |
キユーピー | キユーピーマヨネーズ450g | 520 | 559 | 39 |
キユーピー 深煎りごまドレッシング180ml | 293 | 314 | 21 | |
キッコーマン | デルモンテ パイナップルジュース750ml | 476 | 584 | 108 |
デルモンテ パイナップルジュース1000ml | 573 | 708 | 135 |
- キユーピー:全118品目。マヨネーズ30品目、家庭用約400品目と業務用約1600品目が対象
- 理研ビタミン:「リケンのノンオイル セレクティ」シリーズ全種値上げ
- キッコーマン:パイナップルジュース3品
10月に値上げされる商品
メーカー | 商品名 | 現価格 | 新価格 | 差額 |
---|---|---|---|---|
キリンビバレッジ | 生茶2L | 465 | 497 | 32 |
午後の紅茶500ml | 195 | 216 | 21 | |
サントリー食品インターナショナル | サントリー天然水550ml | 170 | 190 | 20 |
伊右衛門特茶500ml | 170 | 180 | 10 | |
コカ・コーラボトラーズジャパン | 綾鷹650ml | 180 | 200 | 20 |
ジョージア ブラック500ml | 179 | 209 | 30 | |
北海道コカ・コーラ | コカ・コーラ160ml缶 | 77 | 97 | 20 |
アクエリアス2L | 420 | 440 | 20 | |
アサヒ飲料 | 三ツ矢サイダー500ml | 194 | 216 | 22 |
カルピスウォーター1.5L | 459 | 491 | 32 | |
ダイドードリンコ | ダイドーブレンドオリジナル | 140 | 160 | 20 |
DB微糖コーヒーラボ世界一のバリスタ監修 | 180 | 200 | 20 | |
キユーピー | やさしい献立など | 約5〜13%値上げ |
- キリンビバレッジ:飲料214品目
- サントリー食品インターナショナル:缶詰製品含む234品目
- コカ・コーラ系列:茶飲料217品目
- 北海道コカ・コーラ:294品目
- アサヒ飲料:221品目
- ダイドードリンコ:缶やペットボトルの飲料27品目
- キユーピー:介護食品52品目を約5〜13%値上げ



10月には、ここには書ききれないほどあらゆるメーカーのあらゆる品物が値上げされます……
外食産業の値上げなど幅広く想定しよう
たとえばファミリーレストラン「デニーズ」は、3割のメニューを30~50円値上げすると発表しました。コンビニ各社の値上げも相次いでいます。
今後も同様の値上げが続くことが予想されます。あらかじめ優先順位をつけ、満足感を得ながら節約すべきところはシッカリと見極める、そんな心づもりがますます必要となってくるかもしれません。



備蓄は「やりすぎない、でも備える」が大切で、節約と合わせて「ストレスをためない」が続けられるコツかも?
買いだめと備蓄の違いとは?
「値上げ前に備える」と聞くと、「買いだめ」を連想する方もいるかもしれませんが、“買いだめ”と“備蓄”はまったく別物です。適切な行動をとるためにも、この違いを理解しておくことが大切です。
買いだめとは?
買いだめは、「今すぐ必要でない量を、過剰に一度に買い込む」行動です。たとえばトイレットペーパーが話題になったときに大量に買い込むようなケースがこれにあたります。需要と供給のバランスを乱し、一時的な品薄や価格の高騰を引き起こす原因にもなりかねません。
備蓄とは?
一方、備蓄は「必要なものを少しずつ、計画的にストックしておく」行動です。自分や家族にとって無理のない量を確保し、日常的に消費しながら補充する“ローリングストック”が基本。これなら家計に無理もかからず、モラル的にも安心です。
違いを意識することが節約と安心につながる
感情に任せた「買いだめ」は結果的にムダや在庫過多を生みがちです。しかし、「備蓄」は賢く暮らしを守る手段。特に物価が不安定な今こそ、落ち着いた行動が求められています。
備蓄するときに注意したいポイント
「いざ値上げに備えよう」と思っても、やみくもに買い足すだけでは、思わぬムダや失敗につながります。ここでは、備蓄をするときに注意すべき5つのポイントを紹介します。



こうしたポイントを意識することで、ムダなく、無理なく、安心できる備蓄が実現できます
1. 家族構成と生活スタイルに合った量を把握する
必要以上の備蓄は、置き場所や使い切れないリスクにつながります。家族の人数や消費ペースを確認して、「1か月でどれくらい使うか」を基準に備えましょう。
2. 賞味期限・消費期限の管理をする
食品や日用品は、期限があるものが多く、忘れると廃棄の原因になります。定期的にチェックして、期限が近いものは優先的に使う「ローリングストック法」が効果的です。
3. 保管場所の環境を整える
湿気・高温・直射日光は、食品や紙製品の劣化の原因に。押し入れや収納庫など、風通しが良く温度変化の少ない場所を選ぶと安心です。
4. 在庫リストをつける
何をどれくらい備蓄しているか、ノートやスマホアプリで管理すると、ムダ買い防止や買い足し忘れの防止にも役立ちます。賞味期限を一覧で管理するのもおすすめです。
5. 無理なく、少しずつ備える
「いまのうちに一気に買っておかなきゃ」と焦る必要はありません。特売日やポイント還元を活用しながら、無理のないペースで備蓄を続けるのが長続きのコツです。
番外:日用品や食品以外の値上げも考慮に入れる
例えば山梨県は、富士山の麓と5合目を結ぶ有料道路「富士スバルライン」の通行料金を10月から33〜40%程度値上げすると発表しています。
今後はますます、あらゆる品物・サービスの値上げが度重なることが予想されます。備蓄だけにリソースを割かないことも、生活のレベルや安定、さらには満足度を保つためには必要なことかもしれません。
まとめ:今できることから、少しずつ始めよう
2025年秋にかけて、さまざまな製品やサービスの値上げが相次ぐ見通しです。家計への影響が避けられない今、焦って買いだめをするのではなく、日々の暮らしの中で賢く備蓄することが、これからの安心につながります。
値上げの背景や影響を正しく知り、どんな分野が対象になりやすいかを意識することで、「何をどれくらい備えておけばよいか」が自然と見えてきます。大切なのは、「必要なものを、必要な分だけ」計画的にストックすること。日常の延長として備蓄を取り入れることで、ムダや不安を減らし、ゆとりある生活を守ることができます。
備蓄は、特別なことではありません。今日から少しずつ始めれば、それが未来の安心につながる――そんな前向きな気持ちで、できることから行動していきましょう。
📑主な参考情報源:
日本経済新聞電子版「値上げラッシュ」タグ https://www.nikkei.com/topics/22040103
味の素AGFニュースリリース https://agf.ajinomoto.co.jp/news/2025-03-31-2216.html
キユーピーニュースリリース https://lp.kewpie.com/newsrelease/2025/3722/
ニップンニュースリリース https://www.nippn.co.jp/news/detail/__icsFiles/afieldfile/2025/04/30/no9_kateiyou_kaitei.pdf
ほか、メーカーニュースリリースなど複数を参考にしています。
本記事は2025年6月現在の情報に基づいており、公式情報の変更により内容が更新される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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